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医療事務と調剤薬局事務の違いは?
仕事内容や役立つ資格試験などもご紹介

2020年7月8日
 
医療事務 調剤薬局事務

 
医療事務とは病院やクリニックで働く事務職、調剤薬局事務とは調剤薬局で働く事務職のことです。この記事では、医療事務と調剤薬局事務の違いや仕事内容、就職や転職に役立つ資格試験をご紹介しています。これから医療事務や調剤薬局事務への就職や転職を希望する人に役立つ情報をまとめていますので、目指す方はぜひ参考にしてください。

目次


医療事務と調剤薬局事務の違いとは?

 
医療事務と調剤薬局事務は同じ事務職ですが、業務内容は異なります。それぞれの働く場所ややりがいについて解説します。
 

医療事務

 
医療事務とは、病院やクリニックなどの医療機関で働く事務職を指します。デスクワーク以外にも、患者さんや医療スタッフと関わる業務の多さが特徴です。一般的な事務職と異なり、対面での業務も多くなっています。
 

働く場所

医療事務が働く場所は、病院やクリニックなどの診療所のほか、検診や人間ドックを行う検診センターや健康保険組合などもあります。また、保険請求審査代行機関や医事コンピューターシステム会社、損害保険会社などでレセプトの審査なども担っています。
 

やりがい

医療事務のやりがいは、直接患者さんと接する機会が多く、感謝される機会がたくさんあることです。また、病院の患者さんとの触れ合いを通じて、地域の医療に貢献しているという意識をもって働けます。
業務を通じて医療の知識が身につくことや、受付や会計、レセプト業務、クラーク業務など、多種多様な業務に関われることもやりがいのひとつです。
 

調剤薬局事務

 
調剤薬局事務とは、医薬品の処方を行っている調剤薬局で働く事務職のことです。レセプト作成などの事務作業のほか、患者さんの受付、薬剤師のサポートなどの業務を行います。
 

働く場所

調剤薬局は、病院付属や病院の近隣にある調剤薬局で働きます。ドラッグストア内に併設されている場合もあります調剤薬局も病院やクリニックと同じ医療機関に含まれています。
 

やりがい

調剤薬局事務も患者さんと直接関わる仕事です。毎月決まった薬を処方される患者さんも多いため、地域の人と触れ合え、地域医療に貢献できることも大きなやりがいといえるでしょう。
処方箋やレセプトなどを扱うため、医療に関する知識も身につきます。医療に関わる仕事のため責任感をもって働くことができ、会計や計算業務のほか、薬剤師のサポートなど、多岐にわたる業務に携われます。
 

医療事務と調剤薬局事務 それぞれの仕事内容

 
医療事務と調剤薬局事務、それぞれの仕事内容について解説します。
 

医療事務

 
医療事務は、主に受付・会計業務、クラーク業務、レセプト業務に分けられます。
受付・会計業務は窓口で患者さんから保険証や診察券を預かったり、受診後に会計を行ったりします。クラーク業務は患者さんの呼び出しやカルテの準備など、病棟内での事務業務を行います。レセプト業務は保険診療において、診察費用を健康保険組合などに請求する際に必要なレセプト作成を担います。
 

調剤薬局事務

 
調剤薬局事務は、主に受付業務、会計業務、レセプト業務を行います。
受付業務は調剤薬局を訪れた患者さんへの対応です。患者さんから受け取った保険証や処方箋の内容を確認してから、薬剤師へ渡します。会計業務は患者さんに処方された薬の代金の計算や会計です。レセプト業務は医療事務と同じく、薬の保険適用分を健康保険組合などに請求する際に必要なレセプトを作成します。
 

医療事務・調剤薬局事務 それぞれの仕事の魅力は?

 
ここでは医療事務と調剤薬局事務、それぞれの仕事で得られるメリットや魅力について解説します。
 

医療事務

 
医療事務の主な勤務先は病院です。医師や看護師ではなくても、医療現場に関わって働けることに魅力を感じる人も多いでしょう。勤務時間は病院やクリニックなど、勤務先の営業時間内のため、自分のライフスタイルに合わせて働ける職場を選べることも魅力です。
 
さらに、医療に関する知識が身につくため、一度離職しても知識を活かして再就職しやすいといった点もあります。病院やクリニックは全国に存在するため、医療事務の経験があることで、地域を選ばず働けることもメリットです。
 

調剤薬局事務

 
調剤薬局事務は、医療分業の観点から今需要の高い職種です。高齢化社会という背景を受け、調剤薬局は増加傾向にあり、今後も安定して働ける職種といえるでしょう。勤務先の薬局の営業時間が自分の勤務時間になるため、働く時間や雇用形態なども、ライフスタイルに合わせて選ぶことが可能です。
 
ほかにも、受付業務のほかに会計業務、レセプト業務と幅広い業務に携われることや、身につけた医療の知識を活かして、スキルやキャリアアップがしやすいことも魅力です。
 

医療事務と調剤薬局事務の平均年収や給料

 
医療事務と調剤薬局事務の平均年収や給料について解説します。
 

医療事務

 
医療事務の平均年収は約250~350万円です。勤務する病院や地域によって差があり、約180~250万円の場合もあります。
 
正社員の給料は月給15~25万円で、ボーナスは基本給の2~4ヶ月分が一般的です。派遣社員は時給1,300~1,600円、パートやアルバイトは時給900~1,200円で、勤務先の病院によっても差があります。
 
※参考 平均年収.jp 医療事務年収
 

調剤薬局事務

 
調剤薬局事務の平均年収は約300万円です。正社員の月収は16~25万円と開きがあり、年齢や勤務する薬局によって差があります。ボーナスは基本給の4ヶ月分が平均です。派遣社員の平均時給は1,300~1,600円、パート、アルバイトの平均時給は800円となっており、働く地域により差があります。
 
※CAREER PICKS 医療事務の返金年収
 

医療事務や調剤薬局事務に資格試験は必要?

 
 
ここでは、医療事務と調剤薬局事務の仕事に就くために、資格試験は必要かどうかについて解説します。
 

医療事務

 
医療事務の仕事に就くうえで、必要となる資格はありません。未経験者でも働けますが、医療事務の業務で必要な知識をもっていないと対応するのが難しい場合もあります。業務に関する資格を取得しておくと、自信にも繋がります。
 

医療事務認定実務者(R)試験

医療事務認定事務者試験は、患者接遇やマナーなど受付業務に関する知識に重点が置かれた試験です。受験資格は特にありません。合格率は60~80%となっており、初めて医療事務関連の資格取得を目指している人にも向いているでしょう。
 

医療事務技能審査試験

医療事務でもポピュラーな資格で、合格するとメディカルクラークの称号が得られます。受付業務などに関する筆記試験と、レセプト業務における実技試験があり、医療事務の実務に関するスキルが身につきます。受験資格は特になく、合格率は60~70%となっています。
 

医療事務管理士技能認定試験

医療保険制度や医学に関する知識が求められる筆記試験と、レセプト作成・点検の実技試験からなる認定試験です。職業訓練で医療事務を目指す場合、この資格取得を目標としていることが多くなっています。受験資格は特になく、合格率は50%ほどで難易度がやや高めになります。
 

診療報酬請求事務能力認定試験

実技試験、学科試験ともに複雑で専門性の高い問題が出題される認定試験です。医療事務関連資格のなかでは最難関となっています。勤務先によっては、この資格を取得している人に対して手当てを支給するケースがあります。受験資格は特になく、合格率は30%ほどと難易度は高いです。
 

調剤薬局事務

 
調剤薬局事務として働くうえで、必要となる資格はありません。未経験者でも働けますが、調剤薬局事務の採用は経験者が優遇される傾向にあります。未経験者で調剤薬局事務を目指すなら、資格を取得し、専門的な知識をカバーすることで就職や転職に有利となるでしょう。
 
調剤薬局事務に関する資格は7つあり、いずれも民間資格です。
 

調剤事務管理士

調剤事務管理士は、調剤薬局事務のなかでもポピュラーな資格のひとつです。薬局運営のサポート業務をはじめとしたスキルが身につきます。独学での学習ができ、受験資格はありません。合格率は約60%です。
 

調剤薬局事務検定試験

調剤薬局での請求事務業務の基礎的な知識と、技能を有する証明となる検定試験です。日本医療事務協会が認定する団体の講座の受講者に加えて、受験申請をした人も受験できます。合格率は90%以上で、テキストや問題集などの持ち込みが可能な試験です。
 

調剤報酬請求事務技能認定

一般財団法人日本医療教育財団の承認を受けた、教育機関の講座を受講した人を対象とした認定試験です。講座修了後の試験に合格すると取得できます。調剤報酬請求事務に必要な知識やスキルが身につきます。
 
合格基準は学科と実技の各得点率が90%以上で、合格率は非公開となっています。
 

調剤事務実務士

調剤事務実務士は、調剤薬局事務として一定の知識とスキルをもっていることが証明できる資格です。医療福祉情報実務能力協会の認定校で学習した人のみが受験できます。

医療保険調剤報酬事務士

医療保険調剤報酬事務士は、標準受講期間 4ヶ月、最大1年の医療保険学院の通信講座を受講し、試験(在宅受験)に合格すると取得できます。調剤報酬の仕組みや医療保険制度、医薬品に関する基礎知識に加えて、調剤報酬を算出して請求できるスキルの証明になります。
 
正解率90%が合格基準ですが、合格率は非公開です。

調剤報酬請求事務専門士

調剤報酬請求事務専門士は、調剤報酬に関する専門的な知識をもち、調剤薬局業務を円滑に行うエキスパートであることが証明される資格です。1~3級に分かれていて、いずれも2年に1度試験を受ける更新制になっています。受験資格は特になく、合格率は非公開ですが、1級の試験ではレセプト作成もあり、難易度は高いといえるでしょう。
 

調剤薬局事務資格

調剤薬局事務資格は、日本能力開発推進協会の認定教育機関のカリキュラム修了者を対象とした検定試験です。カリキュラム終了後に在宅受験をします。薬や処方に関する基礎知識、医療保険制度などの専門知識とレセプト作成の知識が身につきます。カリキュラム修了者を対象とした試験のため、合格率は非公開です。
 

医療事務と調剤薬局事務 それぞれの仕事に向く人とは?

 
医療事務と調剤薬局事務に必要とされるスキルや能力はどんなものがあるでしょうか。ここでは、それぞれの仕事に向いている人について解説します。
 

医療事務に向いている人

 
医療事務は、体調不良など不安な気持ちをもつ患者さんや家族と接する機会が多くあります。人に対して誠実な対応ができること、臨機応変に機転を利かせながら、思いやりのある対応ができることが大切です。また、レセプトの作成を行うため、パソコンや数字を使った仕事が苦ではないことも求められます。
 

調剤薬局事務に向いている人

 
調剤薬局事務は、レセプト作成や会計を行うため、一般的なレベルのパソコンスキルが必須です。また、薬局の窓口役でもあるため、清潔感があり、患者さんに対して明朗な対応ができる人が向いています。
 
調剤薬局の営業時間に合わせた勤務時間になるため、家事や育児をしながら働く時間を選びたい人にも向いているといえるでしょう。
 

まとめ

 
病院やクリニックなどで働く医療事務と、調剤薬局で働く調剤薬局事務の違いをご紹介しました。必須ではありませんが、いずれの職種も未経験から目指す場合は、専門的な知識が求められるため、資格を取得し、さらに求められるスキルや人材も把握しておくと、就職や転職に有利です。
 
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