
育児や家事と仕事を両立したい、そんなライフスタイルに合った働き方として短時間勤務(時短勤務)について、時短で働くママの一日のスケジュール、仕事と育児や家事を両立するためのポイントなどをご紹介します。
時短勤務とは?
「時短勤務」には、育児・介護休業法に基づく「短時間勤務制度」があります。
一方で、働き方改革や「仕事と生活の調和」(ワーク・ライフ・バランス/work-life balance)、子育て世代の仕事と育児の両立支援などの観点から、法で定められた制度よりも適用範囲を広げ、「決められた時間だけ働く」という、企業が独自に設けている短時間労働(時短勤務)の制度もあります。
また、仕事と家庭の両立しやすい職場づくりは、企業にとっても優秀な人材の確保・育成・定着につながるメリットがあることから、近年は短時間で働く人を募集する企業も増えています。
短時間で働く3つのメリット
時短勤務というスタイルで働くメリットについてご紹介します。
メリット1
子供と過ごす時間をしっかりと確保できる
フルタイムで働いていると、朝も早いし、場合によっては残業で子供が寝静まった時間に帰宅などもあり、なかなか子供と過ごす時間をつくるのが難しいですよね。
時短勤務は仕事以外の時間が確保できることから、子供と過ごす時間だけでなく、後回しにしがちな家事にも時間をかけることができるなど、ライフスタイルを維持しやすくなります。
メリット2
キャリアの継続
出産・育児によるブランク期間は、短い方がキャリアの継続をしやすくなります。 例えばExcelを使った仕事も、ソフト自体のバージョンアップがあると操作方法が変わって以前のようにスムーズにできなくなることもあります。業務を続けていれば、スキルも維持できます。まったく仕事から離れてしまうよりも、短時間でも働くことでキャリアの継続が実現しやすくなり、スキルアップも目指すことができます。
メリット3
収入アップ
育児には何かとお金がかかるものです。限られた時間でも働くことで収入が増え、育児や将来の教育費だけでなく、住宅ローンなどにも充てられるところが大きなメリットといえます。
時短で働くママの一日のスケジュール
実際に時短で働くママのスケジュールを見てみましょう。
仕事と育児・家事を両立する工夫もご紹介します。
1.時短で働くママのスケジュール 一人目
■子供2人(1歳7ヶ月、3歳2ヶ月)
■通勤時間 約1.5時間(往復)
■保育園への送迎・保育園内準備(コップ・タオル等)があるため、1時間前に自宅を出ている
平均的な1日のスケジュール(平日)
時間 | 行動 | 内容 |
5:30 | 起床~朝食 | 朝食・お弁当を作る、検温や着替えなど外出の支度 |
7:25 | 家を出発 | ぐずることがあるため、毎日早めに家を出る |
7:50 | 保育園を出る | |
8:00 | 通勤 | |
8:30 | 出社 | 前日進捗を確認し、当日業務開始 |
15:30 | 退社 | |
16:10 | 最寄り駅到着 | 必要があれば食材の買い出し |
16:20 | 保育園到着 | |
16:45 | 帰宅 | 炊事、掃除。夕飯の作り置きがあれば公園へ |
18:00 | 夕食~子供の入浴 | 子供2人の食事。後片付け 2人同時にお風呂に入れる |
20:00 | 遊び時間~寝かせつけ | 子供と遊ぶ時間を楽しむ 絵本の読み聞かせ、寝てしまうまで約30分 |
21:00 | 子供たち就寝 | 前日の洗濯物を畳む 洗濯を回す/干す、保育園の準備(着替え、連絡長の記入など) |
22:00 | 自分時間or翌日夕飯準備 | ゆっくり時間を満喫 |
0:00 | 就寝 |
【育児と仕事の両立で、工夫している点】
自分の仕事の進捗について、上司や同僚とこまめに情報共有することを心がけています。特に子供が小さいうちは、急な発熱などでお休みや早退することがあっても、引き継ぎをスムーズに行うことができます。
また、仕事で使うファイルや連絡先を共有フォルダに格納して、そのフォルダがどこにあるか伝えておくことを意識しています。毎回、どのファイルを使うのか説明する手間も省けますし、仕事の簡易マニュアルも格納して自分以外の方でもすぐに作業ができるようにすることで、作業の属人化も防ぐことができます。
2.時短で働くママのスケジュール 二人目
■子供 3歳
■通勤時間 約2時間(往復)
平均的な1日のスケジュール(平日)
時間 | 行動 | 内容 |
6:30 | 起床~朝食 | 朝食、お弁当など 自分と子供の支度、検温など保育園の準備 |
7:40 | 家を出発 | 保育園での引き渡し(月曜日や雨の日は少し早めに出勤) |
7:55 | 保育園到着 | 先生への引き継ぎ |
8:10 | 通勤 | |
9:15 | 出社 | 昨日の帰宅後からの対応~当日のスケジューリング |
16:30 | 退社 | 同僚への引き継ぎや進捗状況の共有をし帰宅 |
17:15 | 最寄り駅到着 | |
17:30 | 保育園到着 | お迎え時間ギリギリに到着 |
18:10 | 帰宅 | 保育園~自宅までの間に夕食の不足分の買い物 |
18:40 | 子供夕飯 | 近くに住む、義理母が夕飯を届けてくれる事もあり、とても助かっています |
19:15 | 入浴/夫帰宅 | 家族全員の洗濯物が揃った段階で洗濯開始 |
19:45 | 遊びの時間~寝かしつけ | 本読み、遊びに付き合う等~子供の寝かしつけ |
22:00 | 余暇 | 主人との時間、友人たちとメールなど |
0:00 | 就寝 |
【育児と仕事の両立で、工夫している点】
仕事は、自分が不在の際は誰かが自分の代わりに対応してくれているという事をいつも考え、周囲に感謝の意を伝えるようにしています。そうすることで、同僚たちとの関係を良好に保つことができています。
また、時間内で生産性を高めるための工夫をしています。ビジネスサイトなどで、仕事の効率を上げた人の記事を読んで、自分でも試してみたりします。
また、育児については主人や義理母だけでなく、ファミリーサポートセンター等の第三者の協力を得ることも、両立させていくうえでとても重要でした。
育児・家事と仕事を両立するポイント
時短勤務で育児・家事と仕事の両立をするときの4つのポイントをおさえましょう。
1.家族の理解と協力
まずは仕事をすることに対する家族の理解も大切です。
また、夫、自分の親、夫の親など家族の協力はもっとも頼りになります。まずは、一人で頑張ろうとせずに、家族の協力も求めていきましょう。
2.第三者支援の活用
夫婦ともに仕事の都合をつけられないときや、お互いの親がともに遠方で常時サポートが困難な場合などは、シッターや地域のファミリーサポートセンターなど、第三者の支援も活用することもおすすめです。
3.仕事の作業効率
限られた時間で効率よく仕事をすすめる対策を考えるようにしましょう。
一例として、「ユーザー辞書」の活用がおすすめです。よく使う単語だけでなく定型文なども登録しておけば、文字入力スピードがあがるので、例えばメール1通あたりにかける時間などが短縮でき、他の作業に時間を回すことができます。
4.情報共有
上の事例のように、子供の急な発熱などによりお休みや早退することが想定されます。職場の上司や同僚には仕事の進捗や、どこに何のファイルがあるなど、常に情報共有しておきましょう。“自分がいないと誰も対応できない”といった事態を防ぐことが重要です。
家事や育児との両立は可能?
フルタイムに比べて、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができる時短勤務は、育児・家事と両立しやすいといえるでしょう。
「最初の子を持つ直前」に仕事を辞めた理由について、厚生労働省のレポート「両立支援に係る諸問題に関する総合的調査研究アンケート調査報告概要」(平成20年)によれば、第1位は、「勤務時間があいそうになかった(あわなかった)」、第2位は、「職場に両立を支援する雰囲気がなかった」でした。
仕事を始めるには、まずは自分のライフスタイルをチェックして、無理のない勤務時間を決めることが大切です。

参考:短時間勤務制度(所定労働時間の短縮等の措置)について (厚生労働省) ※外部サイトが開きます
「16時前退社」、「1日5時間以内」など、あなたのライフスタイルに合わせたお仕も紹介しております。