派遣とは
派遣社員の働き方として、一般派遣と紹介予定派遣があります。それぞれ特徴が異なるため、自身の目的に応じて働き方を選択する必要があります。また、派遣社員は就業期間中の給与や福利厚生、サポートなどを派遣会社から受けることができますが、仕事上の指示は派遣先企業から受けて就業します。
派遣社員として働く場合は、派遣会社に登録して企業を紹介してもらいます。派遣先企業が決まったら、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業での勤務が始まります。派遣社員は派遣先企業と直接雇用契約は結びません。なお、派遣期間には制限があります。一般派遣と紹介予定派遣の特徴や違いについては以下で詳しく解説します。
派遣の種類
ここでは、派遣の種類である一般派遣と紹介予定派遣について、それぞれの特徴や違いを詳しく解説します。
一般派遣
一般派遣とは、派遣社員という立場で働き続ける働き方です。しかし、同一企業の同一組織で働くことのできる期間は3年の制限があります。一般派遣として働く際は、派遣会社に登録して企業を紹介してもらう流れです。就業前には、職場見学などを経て両者が合意すると就労開始となります。
就業が決定すると、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で派遣社員として働きます。このように、一般派遣はあくまでも派遣会社と雇用契約を結ぶ働き方です。
紹介予定派遣
紹介予定派遣とは、派遣先企業において、正社員や契約社員といった直接雇用として働くことを目指す働き方です。紹介予定派遣として働くには、派遣会社に登録することから始まります。その後、派遣会社から紹介を受けて企業と面接を行います。
面接を経て採用となると、最長6ヶ月の派遣期間があります。派遣期間終了後、本人と派遣先企業の双方が合意した場合、正社員や契約社員などの直接雇用になります。一般派遣との違いは、面接などの選考プロセスがあることです。なお、紹介予定派遣は派遣期間終了後に直接雇用が約束されているわけではありません。
埼玉県の特徴
埼玉県は関東平野の内部に位置する内陸県です。東西に約103km、南北に約52kmとなっており、約3800?の面積があります。面積の3分の1が山地であり、残りの3分の2が平地です。埼玉県の面積は国土の約100分の1であり、全国では39番目の広さです。また、埼玉県の県庁所在地は政令指定都市のさいたま市です。
さいたま市は、政令指定都市のなかで唯一海に面していない都市ですが、川の数は日本一の多さです。さいたま市を流れる川では、荒川と利根川が有名です。また、埼玉県は首都圏への野菜の出荷量が多くなっています。気候は全国と比較して快晴の日が多く暮らしやすく、東京都に隣接しているため、首都圏のベッドタウンとしても人気のエリアとなっています。
埼玉県の人口
埼玉県の人口は、令和2年8月1日現在で734万5,991人となっています。男女の割合はほぼ半々となっており、県庁所在地のさいたま市を中心に川口市や川越市などの人口が多いです。所沢市や越谷市も県内では人口の多い都市となります。
※参考:埼玉県推計人口 彩の国埼玉県
埼玉県で人気のエリア
ここでは、埼玉県で人気のエリアについて観光と仕事の観点からご紹介します。
観光で人気のエリア
定番の観光スポットとして、川越市の「小江戸川越」があります。そのほか、大宮市の「鉄道博物館」や行田市にある国内最大級の円墳も有名です。川下りの体験とかき氷が有名な長瀞町も人気です。また、加須市では100m級の巨大鯉のぼりが遊泳する「加須のこいのぼり」が行われます。
県内には東武動物公園、西武ドームなどの施設や国内最大級のショッピングモールも数多く存在します。
仕事で人気のエリア
埼玉県南部は首都圏のベッドタウンとして人気エリアであるため、人口も雇用も多い地域です。また、埼玉県の市の数は全国最多であり、県内総生産と経済成長率は47都道府県のなかで上位に入っています。そのような発展を支える主要産業は、サービス業や小売・卸売業、製造業や飲食業などです。金融機関や工場関係の企業が県内に多く立地していることも特徴です。
県内で事業所数が多いエリアはさいたま市周辺や大宮駅、浦和駅周辺となります。川口市や戸田市、朝霞市、所沢市、川越市、熊谷市、川越市、草加市なども多くの事業所が存在します。なお、さいたま新都心には大手企業や官公庁が多いため、一般事務、OA事務、営業事務を中心としたオフィス事務系の求人が多くなっています。
埼玉県で人気の職種
埼玉県内の産業別の従業員数は、卸売・小売業、製造業、サービス業、医療・福祉、飲食店・宿泊業の順で多くなっています。求人数も多く、派遣会社もさまざまな職種の求人を取り扱っています。
職種に特化した派遣会社や埼玉県に特化した派遣会社も
前述のとおり、埼玉県は求人数が多く、派遣会社も多数存在します。派遣会社を選ぶ際は、自身が希望する職種の求人を多く扱っている派遣会社、県内の仕事に特化した派遣会社を選ぶとよいでしょう。
派遣会社によって、オフィス事務系、福祉介護系、技術系、営業販売系など得意な分野が異なっており、それぞれ特定の業種に特化したサービスを提供しています。
埼玉県の派遣の平均給与・時給
2020年10月時点のリクナビ派遣算出データによると、埼玉県の派遣社員の平均時給はさいたま市では1,552円、さいたま市以外の平均時給は1,518円です。
職種別の平均時給
事務・オフィスワーク系
平均時給:1,419円(さいたま市内)、1,379円(さいたま市以外)
営業・販売・サービス系
平均時給:1,463円(さいたま市内))、1,397円(さいたま市以外)
IT・エンジニア系
平均時給:1,999円(さいたま市内)、1,961円(さいたま市以外)
クリエイティブ系
平均時給:1,800円(さいたま市内)、1,583円(さいたま市以外)
医療・介護・福祉・教育系
平均時給:1,521円(さいたま市内)、1,515円(さいたま市以外)
※参考:関東の求人情報 派遣のお仕事探しならリクナビ派遣(2020年10月時点)
埼玉県の有効求人倍率
埼玉県の有効求人倍率は、2020年1月が1.23倍、6月が0.98倍となっています。有効求人倍率が1倍を下回ったのは、2016年3月以来のことです。この半年間は、新型コロナウイルスの影響で求人が減少し求職者が増えたため、有効求人倍率が低下したと考えられます。
なお、有効求人倍率とは、有効求人数(仕事の数)を有効求職者数(仕事をしたい人)で割った数値です。数値が「1」を上回ると求人数が多く働き手が足りない状態であり、「1」を下回ると求職者が多くなり仕事探しが難しくなります。
埼玉県の雇用・就業促進の取り組み
埼玉県では雇用や就業促進の取り組みとして、平成29年度から令和3年度まで「埼玉県産業元気・雇用アップ戦略」を行っています。これは中小企業の支援であり、埼玉県の成長を生み出す産業振興や多くの人材が活躍できる環境づくりを展開しています。また、コロナ禍での雇用情勢悪化に対応するために「埼玉県雇用対策ポータルサイト」を立ち上げました。
ポータルサイトは企業向けと就労者向けがあります。いずれも、国や県、そのほかの関係機関が実施する取り組みが一覧となっています。
介護福祉士とは
介護福祉士は国家資格であり、介護に関する専門的な技術・知識を取得していることが認められています。介護サービスなどの利用者に対する介護と、スタッフへの教育・指導などに携わります。仕事をしていない介護福祉士に対する届出制が義務付けられ、人材確保対策の強化が行われています。
介護福祉士の仕事内容
介護福祉士の仕事内容をご紹介します。
身体介助
介護福祉士の代表的な仕事は、介護サービス利用者への身体介助を行うことです。入浴・食事・排泄などの生活の基本的な動作の他、ベッドから起き上がる時・車いすに移動する時の介添えなど、利用者の体に直接触れて行われる援助を指します。
生活援助
生活援助とは、買い物・食事の準備・掃除など利用者が生活するために必要なサポートを行うことです。生活サポートとも呼ばれており、利用者の自宅での訪問介護時に行われることが多いです。
社会活動支援
社会活動支援とは、利用者が社会から孤立するのを防ぐ目的で行うさまざまな支援です。利用者の話し相手になる、レクリエーションを一緒に行う、近隣の住人との良好な関係を築くためのお手伝いなどがあります。
介護の相談・アドバイス
利用者の家族からの相談を受けたり、心のケアをしたりするのも介護福祉士の役割のひとつです。介護用品の利用方法・介助食の作り方・動作介助の方法など、自宅で行われる介護をはじめとして、介護に関するさまざまな悩みに対してアドバイスを行います。
チームマネジメント
介護スタッフ全員と利用者の情報を共有し、スタッフ同士でサポートをし合うのが、チームマネジメントです。利用者の介護にはさまざまな人が関わってくるため、周りとの連携が非常に重要です。
介護福祉士になるには
介護福祉士になるための3つの方法を解説します。未経験からの資格取得、働きながらの資格取得など、自分の状況に応じて資格取得の方法が選べます。
実務経験を積む
介護の実務経験を積んでから、国家試験を受験して介護福祉士資格を取得する方法です。実務経験を3年以上積み、さらに実務者研修を修了すると受験資格が得られます。筆記試験のみで、実技試験は免除となります。
福祉系高校を卒業する
福祉系高校を卒業してから、国家試験を受験して介護福祉士資格を取得する方法です。福祉系高校を卒業すると受験資格が得られ、実技試験が免除されます。特例高等学校は、卒業後に9ヶ月以上の実務経験を積むことで受験資格が得られます。特例高等学校卒業者は、実技試験の受験が必要で、免除されたい場合は、介護技術講習を受講する必要があります。
養成施設を卒業する
養成施設として認定された専門学校を卒業し、国家試験を受験する方法です。一般の高校・大学などの卒業生は2年、福祉・保育系学校の卒業者は1年間通う必要があります。2022年3月31日までに養成施設を卒業した人は、卒業後5年間介護に携わることで資格を取得できます。2022年4月1日以降の卒業生は、実技試験は免除されますが、筆記試験受験が必要となります。
介護福祉士に必要なスキル
介護福祉士は、専門的な知識や介助以外のスキルも必要です。ここでは、介護福祉士に求められるスキルを5つ解説します。
コミュニケーション能力
介護福祉士は利用者の状況を把握するために、こまめな声がけを行います。また、会話を通じて利用者や家族との信頼関係を積み重ねていくため、コミュニケーション能力は必須です。ただ一方的に話すのではなく、利用者や家族の話しを聞き出す能力が求められます。
状況を判断する能力
利用者の顔色や体の状態をすばやく判断することで、危険を未然に察知して事故や重症を防ぐスキルも介護福祉士には必要です。事故や問題などが起きそうな時は、状況を判断した上で、すぐに適切な行動が取れる能力が求められます。
配慮ができる思いやりの心
介護は利用者や家族などの気持ちを思いやり、配慮できる心が求められます。利用者の中には、介護を受けることに対して、恥じらいや負い目を感じている人もいます。利用者の安心を得られるように、表情豊かに笑顔で接することが大切です。
おおらかさと忍耐力
認知症の利用者や上手く会話ができない利用者など、さまざまな利用者と接する機会があります。うまくコミュニケーションが取れないこともあるでしょう。出来ないことに目を向けすぎるのではなく、おおらかな明るさと根気よく仕事に向き合える忍耐力が、介護福祉士には求められます。
体力
身体介助をはじめ、利用者の体を支えなければいけない作業が多いため、介護福祉士には体力が求められます。万が一、転倒などの事故があった場合にも、とっさに利用者を支える必要があります。福祉施設での当直勤務など、昼夜逆転の勤務もあるなかでも体力は必要です。
介護福祉士の平均給与
平成30年度の介護福祉士の平均給与(月収)は、常勤31万円、非常勤23万円でした。月収を12倍し算出した平均給与(年収)は、常勤約376万円、非常勤約280万円です。
介護福祉士の求人倍率
令和2年1~3月の介護福祉士の求人倍率は、4.25倍です。
※参考:福祉人材の求人求職動向 - 福祉のお仕事
介護福祉士の人材確保の取り組み
高齢化社会の日本にとって、介護福祉士はとても需要の高い人材です。介護福祉士の人材確保を目的とした、厚生労働省の取り組みを解説します。
介護職員の処遇改善
介護職員の処遇を他産業と遜色ない水準へ引き上げるために、今後は経験や技能のある介護職員を中心とした、処遇改善が見込まれています。ほかの職種や産業と比べると、介護や福祉の仕事は賃金面での処遇水準が高くありませんでした。厚生労働省では平成21年より介護職員の賃金改善の取り組みを行い、平成29年4月までに平均して月額5.7万円増加する成果を出しました。
多様な人材の確保・育成
離職した職員・アクティブシニアなど潜在的な介護職員人材の発掘に向けて、さまざまな取り組みが行われています。若手の介護職員発掘としては、小中学生等の夏休み等を活用した職場体験や介護福祉士修学資金貸付制度が実施されています。介護事業所でのインターンシップ導入の促進・教員を対象にした介護の入門的研修なども行われています。
介護現場の革新
生産性を上げて人材不足を解消するための、介護現場の革新に向けた取り組みも行われています。ロボット・センサー・ICTなどを活用し、介護職員の身体・精神的な負担の軽減や、人材不足を想定したマネジメントモデルの構築などです。
介護のしごと魅力発信
新しい介護職員人材の発掘のため、介護の仕事の魅力を発信しています。子育て後の女性・退職後のアクティブシニアなどをターゲットに、新たな魅力を加えたイメージが発信されています。介護事業所の認証評価制度普及など、介護業界全体での意識改革も図られています。
外国人材の受入れ
外国人材も多く受け入れ、住まいの提供・銀行口座開設・保証人など、受け入れた外国人の生活支援が行われています。特定技能外国人枠の新設など、新しい在留管理体制の構築・介護技術を学ぶための技能実習生の受け入れなどの取り組みも企画されています。