派遣社員が知っておくべき法律|労働者派遣法・労働契約法から2018年問題まで

派遣 法律

派遣社員として働いているまたは働く予定があるが、派遣労働に関わる法律についてはあまり詳しくない、という方も多いのではないでしょうか。

ここでは、派遣社員の労働に関する法律について解説しています。
派遣労働に関する基本の法律である労働者派遣法・労働契約法という2つの法律についての基礎知識から、最新の2018年問題とは何か・派遣社員にどんな影響を及ぼすかということまで解説しています。

派遣社員を守るための法律ですので、ここで法律知識を身につけておきましょう!

派遣社員が知っておくべき法律は、労働者派遣法と労働契約法の2つ

派遣社員とは

まず、派遣社員とは何かという部分を念のため確認しておきましょう。
派遣社員とは、派遣先企業ではなく派遣会社と雇用関係がある労働者のことを言います。混同されがちですが、企業に直接雇用される点で契約社員と異なります。

派遣社員が知っておくべき2つの法律

派遣社員に関わる法律は主に以下の二種類があります。

労働者派遣法

労働者派遣法は就業形態や賃金・福利厚生などを規定する、派遣社員の権利保護のための法律です。
詳しくは後述します。

労働契約法

労働契約法は労働の際に発生する契約関係を規定した、いわばモラルのようなものです。刑罰等の規定はありませんが、この法内容を遵守する必要があります。詳しくは後述します。

労働者派遣法とは?

労働者派遣法は派遣社員の権利を守り、就業条件や賃金、福利厚生などの規定を定めた法律です。派遣社員は労働形態を柔軟に決められるというメリットを持つ反面、正規雇用者に比べ不安定で、賃金差がある面が否めません。例えばボーナスが発生しないため正規雇用に比べ年収が少ない、一定の基準を満たさないと健康診断を受けられないなどのデメリットがあります。また、不足人員に対する期間限定の補填としての側面も否めず、派遣先企業の都合で派遣契約期間が終了することも多いです。このようなことを防ぐため、派遣社員の雇用条件整備を目的としたものが、労働者派遣法です。2015年に法改正が行われ、その内容が後述の「2018年問題」に関係しています。

労働者派遣法は派遣社員の雇用状況を改善・維持することが目的なので、派遣社員が自らの雇用条件を公正なものに保つためにこれを理解しておく必要があります。

注意点:2015年の法改正

労働者派遣法は2015年に法改正が行われました。改正のポイントとしては大きく以下の3点が挙げられます。

期間制限

有期派遣労働者が同じ組織(部署)で働くことができる期間が最長3年間になりました。改正前は同じ「業務」単位であったのに対し「組織」単位に変更となりました。また改正前は期間制限が設けられていなかった、秘書やソフトウェア開発・事務用機器操作などの「専門26業務」も新たに最長3年の期間制限の対象となりました。ただし、派遣会社に無期雇用されている派遣社員、60歳以上の派遣社員などは期間制限の対象となりません。
この期間制限は特に注目するべき事項です。というのも、2015年の法改正で最長3年ということは、2018年に期間満了となるからです。かつての「業務」単位での期間制限の場合、「業務」によっては同じ組織(部署)で3年以上働くことが可能でした。しかし「組織」単位での期間制限となると、期間満了後は同じ組織(部署)で派遣社員として働き続けることができません。そのため、派遣先企業や派遣会社側・派遣社員側ともにこの点に関して十分に注意する必要があります。

雇用安定措置の義務化

派遣会社は派遣社員に対し、雇用の継続・安定のために派遣会社での無期雇用化・派遣先企業への直接雇用の依頼等の雇用安定措置を講ずることが義務付けられました。
期間制限の改正により、派遣社員は同じ組織(部署)で働き続けることができなくなってしまった反面、これまでより直接雇用の可能性が広がりました。就労形態や賃金が安定しない派遣社員の現状に対し、直接雇用のチャンスを広げることで収入・生活の安定をより得やすくなりました。

均衡待遇の推進への配慮義務

派遣社員などの有期労働者と正社員など無期労働者との間に、期間の定めがあることを理由とした不合理な労働条件の相違を設けてはならないというルールです。もし正社員との間に合理的でない理由から労働条件の差が生じている場合、それを改善する必要が生じます。

労働契約法とは?

労働契約法は労働契約について定められた基本的な法律です。企業と労働者という雇用―被雇用の契約関係におけるトラブルを解決するための基本的な取り決めで、刑事罰などの規定がない点で労働基準法と異なります。労働形態が多様化する現代社会において、転籍や雇用条件などの雇用ルールを民事上のものとして明文化することが求められ、2007年に成立しました。こちらも2012年に法改正が行われ、「2018年問題」に大きく関わっています。

注意点:2012年の法改正

労働契約法は2012年に法改正が行われました。改正のポイントは大きく分けて以下の2点です。

無期労働契約への転換

これは、2013年4月1日以降に有期労働契約を締結・更新した者は、その契約が5年を超えた場合に無期労働契約への転換を申し込むができるというものです。ただしこれは労働者(派遣社員)側が申し込みを行う必要があります。もし該当期間中に派遣社員が申し込みをしなかった場合、次の更新期間で再び申し込みをすることができます。この権利を「無期転換申込権」と言います。この権利には発生条件があり、以下の2点になります。

①同一の派遣会社で通算5年を超えて勤務していること。
②契約が1回以上更新されていること。

これは派遣社員側にとって特に重要なポイントです。労働者派遣法と同様に、こちらの場合も2018年に転換の時期となるからです。雇用が不安定な有期労働契約から、収入が安定した無期雇用へ転換するチャンスが広がりました。

「雇止め法理」の法定化

一定の場合において、雇用元による雇止めができなくなるというルールです。
雇止めとは、期間満了時に雇用元が契約を更新せず労働者をやめさせることを言います。派遣社員の例にとれば、派遣契約期間満了時に派遣先企業が契約更新をせず派遣契約を終了することにより、派遣社員と派遣会社の雇用も終了することになります。この雇止め法理の対象となるのは以下に該当する方です。

・労働者側にとって、契約満了時に当該の有期労働契約が更新されるという期待を持つことに合理的な理由があると認められる場合

2018年問題とは?

では、これらの法改正を踏まえた2018年とはどのようなものであり、派遣社員側はどのような対処が必要なのでしょうか。

2018年問題とは、2012年の労働契約法改正、2015年の労働者派遣法改正の影響により、多くの企業が2018年前後に雇用契約の見直しを迫られている、というものです。労働者派遣法で規定された期間制限3年と、労働契約法で規定された無期労働契約転換の時期が重なることにより生じています。

派遣会社への影響

2018年4月以降、派遣会社は派遣社員を同じ組織(部署)に3年以上継続して派遣することができないため、派遣先企業への直接雇用を依頼する、派遣社員側の申込みに応じて無期労働契約に転換する、または別の派遣先企業を紹介するなどの対応が必要になってきます。無期労働契約への転換の場合、派遣社員としての契約時とは異なり、期間の定めのない継続雇用となるため派遣会社にとっては負担が大きくなります。

派遣社員への影響

労働者派遣法の期間制限により、派遣社員として同じ組織(部署)で3年以上働くことができなくなります。今の組織(部署)での仕事を続けたいと考えている方で同じ派遣会社で通算5年の雇用期間が見込める場合は、労働契約法に則り通算5年超となった時点で派遣会社に無期労働契約への転換を申し込むことができます。一方で、今の組織(部署)に不満がある・派遣会社の無期労働契約で働くことができないなどの場合は派遣会社に問い合わせるようにしましょう。

なお、通算5年の雇用期間が見込めないが派遣期間制限3年を迎える派遣社員の方は、労働契約を更新し、別の組織(部署)で2年間働き続けた後に無期労働契約への申込権が発生します。あくまでも通算5年超の雇用期間が見込める場合のみ無期労働契約への申込権が発生するのです。

まとめ

以上のように、2018年は派遣社員に関わる労働者派遣法・労働契約法で定められた雇用期間の終了に相当する時期です。大規模な雇止めが懸念される一方で、直接雇用のチャンス・よりよい労働条件の新たな職場発見の可能性もあります。本記事の内容を参考にしながら、派遣社員としての働き方をもう一度見直してみてはいかがでしょうか。
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