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【社労士監修】無期雇用派遣のメリット・デメリット

2018年3月1日
 

無期雇用派遣

無期雇用派遣」という働き方をご存知ですか?一般的な派遣就業との違いやメリット・デメリットなど、押さえておきたいポイントをわかりやすく解説しています。


無期雇用派遣とは?

普通の派遣の場合は、派遣先企業でお仕事がスタートしたとき(派遣契約期間開始日)に雇用関係が成立します。派遣契約が終了すれば派遣会社との雇用関係も終了しますので、派遣会社との雇用契約期間が決まっている(有期)の働き方です。

無期雇用派遣は、派遣契約期間に関係なく、派遣会社に採用された時点で雇用関係が成立します。派遣先企業でお仕事をするという働き方は普通の派遣と同じですが、派遣契約が終了しても派遣会社との雇用が続きますので、雇用と収入が安定した働き方ともいえます。

無期雇用派遣と普通の派遣の違い_図解
無期雇用派遣と普通の派遣の違い_図解

  普通の派遣 無期雇用派遣
雇用関係の成立 派遣先企業でのお仕事がスタートしたとき
(派遣契約期間開始日)
派遣会社に採用されたとき
雇用期間の定め あり(有期雇用) なし(無期雇用)
給料 派遣先企業により異なる 固定
派遣契約終了時 雇用契約は終了 雇用契約は継続


無期雇用派遣の募集がある!

派遣会社の「無期雇用派遣」の募集への応募であれば、採用された時点で派遣会社との雇用契約が成立します。
ITエンジニアなどの技術系、最近では普通の派遣でも人気の一般事務や総務事務などの事務職系も、無期雇用派遣の採用が活発になってきています。特に事務職系は、未経験からチャレンジできるように研修やサポート体制が整っているところが多く、派遣先企業で働きながら長期的なスキルアップ、キャリアアップを目指す事ができます。

ここでは、人気の「事務職系」の無期雇用派遣に応募するメリットなど説明していきます。

※無期雇用で未経験から事務職にチャレンジしたい方へ
事務系・無期雇用派遣(M-Shine) LinkIcon


「事務職系」無期雇用派遣に応募するメリット4つ

ここでは人気の「事務職系」で、普通の派遣と比較した無期雇用派遣のメリットについて紹介していきます。

メリット1

雇用と収入が安定!

無期雇用派遣の最大のメリットは、雇用と収入の安定です!
普通の派遣は1ヶ月~数ヶ月ごとの更新が多く、次も更新されることが約束されているわけではありません。派遣先企業から派遣契約の更新依頼がなければ終了となり、派遣会社との雇用関係も終了となります。

無期雇用派遣は、派遣先企業との派遣契約の期間に関係なく派遣会社との雇用関係は続き、給料も派遣会社から継続して支払われますので、派遣契約が更新されるかどうか心配する必要もなく、安定した環境で長く働くことができます。

月の収入も安定!

給料は基本的に「月給」です。普通の派遣に多い「時間給」の場合は、ゴールデンウィークやお盆休みなどで就業日数が減ることにより、収入が変動することがありますが、無期雇用派遣の場合は毎月安定した収入が見込めます。他にも交通費や諸手当の支給、ボーナスなどもあり、働く場所が派遣先企業であること以外は、正社員に近い働き方といえます。

メリット2

土日祝日休みの職場が多くプライベートも充実!

一般事務や総務事務などの事務職系は、土日祝日休みが多いのが特徴です。

平日お休みならば、人気のお店も並ぶことなく入れるなどのメリットももちろんありますが、そのかわりお友達とのスケジュール調整が大変!などということはありませんか?

お休みの日が毎週土日と祝日の事務職系であれば、お友達との予定も立てやすくなりますし、土日限定イベントなども逃すことなく、さらに充実したプライベートの時間が過ごせます。
たまには混雑のない平日にのんびり過ごしたい、どうしても平日に行かなくてはならない用事があるなどの場合は、有給休暇を取得すれば平日お休みのお仕事とあまり差がありません。毎週「土日」という、連続したお休みがあることは事務職系のお仕事の魅力です。

未経験でもチャレンジできる

無期雇用派遣は派遣会社にとっても安定した雇用となりますので、しっかりと時間をかけて育成することができます。そのため、応募者のスキルや経験よりも、やる気や積極性などポテンシャルを重視して採用する派遣会社が増えてきています。

未経験だけど…事務職系のお仕事をやってみたい!という方は、無期雇用派遣で派遣会社の研修やサポートを受けながら、いろいろな派遣先企業で事務職系のお仕事の経験を積んでいくのも有効な手段です。

メリット4

普通の派遣よりも幅広い業務を経験できる可能性あり!

労働者派遣法には「人で3年ルール」があります。このルールは簡単にいうと、ひとりの派遣社員が同じ組織で働けるのは3年までというものです。 でも無期雇用派遣であれば、この「人で3年ルール」の対象外になります! 派遣先企業と派遣会社との派遣契約が続く限り、何年でも同じところで働くことが可能になります。

3年までという期間制限がある普通の派遣と違い、ずっと同じ人が働いてくれる無期雇用派遣の方が、派遣先企業から任せられるお仕事の幅がぐっと広がる可能性が高く、着実にキャリアを積むことができます。

※「人で3年ルール」について詳しい内容は下記をご覧ください。
【労働者派遣法】 3年後は派遣から直接雇用へ


無期雇用派遣のデメリットとは?

次に普通の派遣と比べたデメリットについて説明していきます。

職場が選べない

無期雇用派遣は派遣会社からの業務命令で就業するので、派遣先企業を自分で選ぶことはできません。通勤時間が40分かかるところから10分に短縮されるケースもあれば、その逆もあります。「ここは合わないな」と思っても、自分の意思で派遣契約を更新しないということもできません。

でも正社員も環境が変わることは部署異動などでよくあるケースですので、逆にいえば「職場が選べること」が普通の派遣のメリットであって、職場が選べないことは無期雇用派遣に限定したデメリットではありません。

もちろん新しい職場でわからないこと、不安なこと、困ったことなどがあれば、普通の派遣と同じように派遣会社のサポートやフォローを受けられるので、一人で悩まずいつでも相談するようにしましょう。

ワークスタイルが固定される

無期雇用派遣は基本的に働く時間が決まっていますので、普通の派遣と違って、限定した曜日だけ働く、短い時間だけ働くなどといった「自分のライフスタイルに合わせて働く」ということはできません。

書類選考や面接がある

普通の派遣の場合は、書類選考も面接もなく(紹介予定派遣を除く)、派遣会社に登録するだけでお仕事を始めることができます。
無期雇用派遣の募集に応募する場合は、普通の派遣と違って「登録」ではなく、派遣会社の社員として「採用」されますので、書類選考や面接があります。履歴書の作成や面接の受け方などのサポートを受けることができませんので、普通の派遣でお仕事をスタートするよりはハードルは少し高いといえます。

ただし、メリット3でお伝えしたとおり、スキルや経験よりもポテンシャルを重視して採用する派遣会社が増えてきていますので、消極的にならずにやる気をしっかりアピールしていきましょう!


普通の派遣(有期雇用)から無期雇用へ転換もある

この記事では、最初から無期雇用派遣として派遣会社に採用された場合についてお伝えしていますが、普通の派遣(有期雇用)から無期雇用への転換もあります。

2013年の労働契約法改正により、雇用期間が通算5年を超えたら無期雇用に転換できるようになりました。2013年4月1日以降に成立した雇用契約が通算5年を超えたら、派遣会社に申込みをすれば有期雇用から無期雇用に転換することができます。

無期労働契約への転換(厚生労働省) LinkIcon  ※外部サイトが開きます

まとめ

無期雇用派遣の最大のメリットは、雇用と収入の安定です!
でも普通の派遣の最大のメリット「自分のライフスタイルに合わせて働く」ことはできません。
少し強引な感じもありますが、簡単にいうと無期雇用派遣の「雇用と収入の安定」、普通の派遣の「ライフスタイルの安定」、あなたにとってどちらに重点を置くかが決め手となります。

※無期雇用で未経験から事務職にチャレンジしたい方へ
事務系・無期雇用派遣(M-Shine) LinkIcon

【記事監修】
マンパワーグループ株式会社 コンプライアンス部 特定社会保険労務士 高田有子


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